外壁塗装を検討している方にとって、「どんな塗料を選べばいいのか」「施工後にすぐ剥がれたりしないか」といった不安は尽きないものです。特に、塗装の見た目や耐久性を左右する「下地処理」と「下塗り」の工程については、意外と知られていないことが多く、適切な判断が難しいと感じる方も多いでしょう。
実は、外壁塗装で後悔しないためには、「下塗り塗料の種類」や「下地処理の重要性」を理解しておくことが非常に大切です。これらの工程を正しく行わないと、せっかくの塗装がすぐに劣化したり、ムラが出て美観を損ねたりするリスクがあるのです。
今回の記事では、外壁塗装を検討している住宅所有者の方が知っておくべき、下塗り塗料の種類と選び方、そして下地処理のポイントについて詳しく解説します。
※外壁塗装で知っておきたい、塗料・塗り方・下地処理などの種類について、詳しく知りたい方は『外壁塗装の種類を徹底比較!知っておきたい塗料・塗り方・下地処理を横浜市の塗装のプロが解説』をご覧ください。
目次
外壁塗装における下地処理と下塗りの重要性とは?
外壁塗装と聞くと、多くの方が「色を塗る作業」だけを想像するかもしれません。しかし、実際にはその前段階である「下地処理」と「下塗り」が、塗装全体の品質や耐久性を大きく左右します。
下地処理とは、塗装を施す前に外壁の汚れを落とし、傷んだ箇所を補修し、塗装がしっかり定着する状態に整える工程です。そして下塗りは、上塗り塗料との密着を助け、仕上がりの美しさと耐久性を確保するためのベースとなる塗装工程です。
この章では、外壁塗装の基礎となるこれらの工程の重要性について、順を追って詳しく見ていきます。
外壁塗装の工程と「下地処理」の役割
外壁塗装は「塗る作業」だけでは完結しません。美しく、長持ちする塗装を実現するためには、その前段階である「下地処理」が極めて重要です。下地処理とは、文字通り塗装前の“土台づくり”であり、この工程を適切に行うかどうかが、塗装後のトラブルを防ぎ、仕上がりの質を大きく左右します。
下地処理の工程には、大きく分けて3つのステップがあります。まずは「高圧洗浄」によって、外壁表面に付着した汚れ、コケ、カビ、ホコリなどを徹底的に洗い流します。これを怠ると、塗料がしっかりと密着せず、早期の剥がれやムラの原因になります。
次に行うのが「補修作業」です。ひび割れや剥離、凹みなどのダメージがある箇所は、パテやコーキング材などで補修します。この段階で見落としがあると、塗装後に問題が再発する可能性があるため、細部まで丁寧に確認することが求められます。
最後に「養生」と呼ばれる作業で、塗装しない部分をビニールやテープで覆い、塗料の飛散を防ぎます。これにより、塗装範囲以外の部分を汚すことなく、きれいな仕上がりが保たれます。
このように、下地処理は塗装の成功を支える不可欠な工程です。適切な下地処理を行うことで、塗料の性能を最大限に引き出し、耐久性の高い外壁に仕上げることが可能となるのです。
下塗りが外壁塗装の仕上がりを左右する理由
外壁塗装において、見た目の美しさや塗膜の持続性を決定づけるのが「下塗り」です。多くの方が中塗りや上塗りの塗料の種類や色に注目しがちですが、実はこの下塗りが、塗装の成功を左右する大きな要因となります。
下塗りには主に3つの役割があります。ひとつ目は「密着性の向上」です。外壁材と上塗り塗料の間に下塗りを施すことで、塗料がしっかりと付着し、剥がれにくくなります。これが不十分だと、数年以内に塗膜が剥がれてしまうこともあります。
ふたつ目は「吸い込みの防止」です。特にモルタルやコンクリートなどの素材は塗料を吸収しやすく、そのまま上塗りをしてもムラや色ムラが発生しやすくなります。下塗りによって壁面の吸収を抑え、塗装の仕上がりを均一に整える効果が得られます。
そして最後は、「中塗り・上塗りの性能を最大限に引き出す」ことです。どんなに高性能な上塗り塗料を使用しても、下地との密着が甘ければ本来の機能を発揮できません。防水性や耐候性といった性能を十分に発揮させるには、下塗りが不可欠なのです。
このように、下塗りは外壁塗装の“土台”を支える工程であり、見た目だけでなく、長持ちする塗装のためには欠かせないステップです。
失敗しないための下塗りの重要性
外壁塗装において「下塗りを軽視してしまったがために、数年で塗膜が剥がれてしまった」というケースは決して珍しくありません。つまり、下塗りはただの“前準備”ではなく、塗装全体の品質と寿命に直結する極めて重要な工程なのです。
まず注目したいのが「塗料との相性」です。下塗り塗料と上塗り塗料の相性が悪いと、塗料がうまく定着せず、剥がれやすくなります。業者によってはコストを抑えるために、相性の悪い塗料を使用してしまうケースもあるため、使用する塗料の組み合わせは必ず確認しておくべきです。
また、下塗り塗料にはそれぞれ異なる性能があります。たとえば吸水性を抑える「シーラー」、ひび割れを埋める「フィラー」、金属部に使う「プライマー」など、それぞれ用途に応じた選定が必要です。この性能差を理解せずに適当な塗料を選んでしまうと、本来の効果を得ることができません。
さらに、信頼できる塗装業者の選定も大きなポイントです。優良な業者は下地の状態を丁寧に調査し、最適な下塗り材を提案してくれます。逆に、説明があいまいで「とりあえず塗っておきます」というような対応をする業者は注意が必要です。
下塗りに対する理解が深まるほど、外壁塗装の成功率は格段に上がります。後悔しないためには、業者任せにせず、自らも下塗りの役割と重要性を理解することが不可欠です。
知っておきたい!下塗り塗料の種類と特徴
外壁塗装の下塗りには、実にさまざまな種類の塗料が存在します。それぞれに特徴や用途が異なり、どれを選ぶかによって仕上がりの美しさや耐久性、さらには塗料の性能まで大きく変わってくるのです。
しかし、多くの方は「シーラー」「プライマー」「フィラー」といった名前を聞いても、その違いや選び方まで詳しくはわからないのが実情です。業者に任せきりにせず、自分でも基本的な知識を持っておくことで、不要なトラブルを回避し、納得のいく塗装が実現しやすくなります。
この章では、主要な下塗り塗料の種類ごとの特徴や、どんな場面で使うべきかを丁寧にご紹介していきます。それぞれの塗料の性質を知ることで、より適切な判断ができるようになるはずです。
シーラー|密着性を高める基本の下塗り
シーラーは、下塗り塗料の中でも最も基本的な種類として広く使われている塗料です。その最大の役割は、外壁材と上塗り塗料との密着性を高めること。名前の通り「シール(seal)=密閉・封じ込め」の意味を持ち、外壁の表面を整えながら、塗料の吸い込みを抑える効果があります。
シーラーには大きく分けて「水性」と「油性」の2タイプがあり、外壁の素材や状態によって使い分けます。たとえば、モルタルやサイディングなど吸水性の高い素材には、水性シーラーがよく使用されます。一方、金属やツルツルとした表面の素材には、油性シーラーのほうが密着力に優れるため適しています。
また、経年劣化によって粉状になった外壁(チョーキング現象)には、シーラーの塗布が特に重要です。粉をしっかり固めて密着性を高めることで、塗装後の剥がれやムラを防ぐことができます。
シーラーは一見シンプルな下塗り材に見えますが、その働きは非常に重要です。仕上がりをきれいに保ち、長く塗膜を維持するためには欠かせない存在と言えるでしょう。
プライマー|鉄部や金属に最適な下塗り
プライマーは、金属や非吸水性の素材に対して使用される下塗り塗料です。「プライマー(primer)」には“最初の処理をするもの”という意味があり、鉄部やアルミ、亜鉛メッキなどの表面に塗布することで、上塗り塗料との密着性を高める役割を果たします。
金属の外壁や付帯部(雨樋・シャッター・庇など)は、塗料が直接では密着しにくいため、プライマーによる下処理が必須です。また、プライマーには「防錆機能」を持つものもあり、鉄部のサビの発生を抑制する効果が期待できます。これにより、見た目の美しさだけでなく、素材の劣化防止にもつながります。
プライマーにもさまざまな種類があり、使用する素材や環境に応じて選定が必要です。たとえば、エポキシ系のプライマーは高い密着力を持ち、過酷な環境下でも強い耐久性を発揮します。一方で、価格が高めだったり、乾燥に時間がかかるといった特徴もあるため、使用場所と目的を考慮した選択が重要です。
外壁の一部に金属素材が使われている住宅では、プライマーの適切な選定が仕上がりの品質に直結します。見た目だけでなく、素材の保護という視点でもプライマーの存在は非常に大切なのです。
フィラー|ひび割れや凹凸を埋める下塗り材
フィラーは、下地のひび割れや凹凸を埋めるために使われる下塗り材です。外壁に微細なクラック(ひび割れ)が発生している場合、そのまま上塗りしても亀裂が残り、美観も性能も損なわれてしまいます。そんなときに活躍するのがこのフィラーです。
特に使用頻度が高いのが「微弾性フィラー」と呼ばれるタイプで、弾力性があり、塗膜に追従する柔軟性を備えています。この特性により、小さなひび割れにしっかり入り込み、塗装面を滑らかに整える効果があります。
フィラーは主にモルタルやコンクリートなど、ひび割れが起こりやすい外壁材に使用されます。また、凹凸のある古い外壁や、表面が荒れている下地にも適しており、下地を平滑にすることで、上塗りの仕上がりを美しく整えることができます。
一方で、フィラーは他の下塗り材よりも粘度が高く、施工には一定の技術が必要とされます。また、すべての外壁に適しているわけではないため、使用の可否は現場の状況に応じて判断する必要があります。
外壁の劣化が進んでいる場合や、見た目の凹凸が気になる場合には、フィラーの使用が仕上がりに大きな違いを生み出すポイントとなるのです。
サーフェイサー|美しい仕上がりのための下塗り
サーフェイサーは、外壁塗装の仕上がりをより美しく見せるために使われる下塗り材の一つです。もともとは自動車の塗装などで使われていた技術で、外壁においても「表面を滑らかに整える」役割を果たします。
その特徴は、外壁の細かな凹凸やザラつきを埋め、塗装面を均一に整えること。これにより、上塗り塗料がムラなく塗布でき、光沢や色味の均一性が高まります。特に、吹付塗装(スプレーによる塗装)と併用されることが多く、均一で美しい表面仕上げを実現したい場合に効果的です。
ただし、サーフェイサーは外壁塗装全般で必須というわけではなく、使用されるのは一部の特殊なケースに限られます。たとえば、新築の外壁や、リフォームで外壁材を交換した直後など、より滑らかな下地が求められる場合に使用されます。
また、施工には技術力が求められるうえ、他の下塗り材よりもコストが高くなる傾向があるため、状況に応じて慎重な判断が必要です。
美しさに徹底的にこだわりたい、あるいは吹付塗装を検討している場合には、サーフェイサーの使用を検討する価値があります。
下塗り塗料の選び方のポイント5つ
下塗り塗料は「どれでも同じ」というわけではありません。外壁材や劣化の程度、最終的な仕上がりの理想像によって、適切な下塗り材を選ぶことが非常に重要です。ここでは、失敗しないための下塗り塗料の選び方を5つのポイントに分けて解説します。
まず1つ目のポイントは、「外壁材に適した下塗りかどうか」です。モルタルやコンクリートには吸水性を抑えるシーラー、金属にはプライマー、ひび割れの多い壁にはフィラーといったように、素材に合わせた選定が必要です。適さない塗料を使うと密着せず、剥がれやすくなる原因になります。
2つ目は、「劣化の程度に応じた選定」です。外壁が著しく劣化している場合、ひび割れを補修しながら塗装する必要があるため、微弾性フィラーなど機能性のある下塗りが適しています。逆に軽度な劣化であれば、シンプルなシーラーで十分なケースもあります。
3つ目のポイントは、「上塗り塗料との相性」です。塗料にはメーカー指定の組み合わせや推奨条件があり、相性が悪いとトラブルの原因になります。特に機能性塗料や高耐久型の上塗り材を使う際は、必ず下塗りとの適合性を確認しましょう。
4つ目は、「耐久性と価格のバランス」です。下塗り材には安価なものから高性能なものまでありますが、予算に応じて適切なグレードを選ぶことが重要です。安すぎる塗料は早期に劣化する可能性があるため、長期的な視点で判断することが大切です。
最後の5つ目は、「業者の説明に納得できるかどうか」です。信頼できる業者は、使用する下塗り材の種類や理由を丁寧に説明してくれます。曖昧な回答や説明を避ける業者には注意が必要です。質問をしてきちんと答えてくれるかどうかも、判断基準となります。
これらのポイントを押さえておくことで、自宅の外壁に最適な下塗り塗料を選ぶことができ、後悔のない塗装につながります。
まとめ~横浜市の外壁塗装・屋根塗装のことなら
本記事では、外壁塗装における「下地処理」と「下塗り」の重要性、そして下塗り塗料の種類や選び方について詳しくお伝えしました。
外壁塗装は見た目の美しさだけでなく、建物の耐久性や資産価値にも大きく影響する重要な工事です。中でも、下地処理と下塗りはその仕上がりと持ちを決定づける要の工程と言えます。これらを正しく理解し、素材や状況に適した塗料を選ぶことで、後悔のない塗装が実現できるのです。
特に、シーラー・プライマー・フィラー・サーフェイサーといった下塗り塗料にはそれぞれ明確な役割があり、選定を誤ると塗装全体に悪影響を及ぼす可能性があります。施工を業者任せにせず、自分自身でも基本的な知識を持つことが、納得のいく仕上がりへの第一歩です。
外壁塗装をご検討中の方は、今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ信頼できる業者とともに、最適な塗装プランを見つけてください。塗装は数年に一度の大切な機会です。だからこそ、後悔のない選択をしていただけるよう願っています。
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この記事の著者について

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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
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