外壁塗装を検討しているものの、「コーキング材ってなに?」「どの種類を選べばいいの?」とお悩みではないでしょうか。住宅の外壁は年数が経つにつれ、目地のひび割れや隙間が発生しやすくなります。こうした隙間を埋めて防水性や気密性を保つために欠かせないのが、コーキング(シーリング)材です。
しかし、コーキング材にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や耐久性の違いがあります。間違った選び方をすると、せっかく塗装してもすぐに劣化してしまい、雨漏りや外壁の劣化につながることも。だからこそ、適切なコーキング材を知ることが、住宅の長寿命化には欠かせません。
今回の記事では、外壁塗装に使われるコーキング材の種類と耐久性、さらに選び方のポイントについてわかりやすく解説します。
※外壁塗装で知っておきたい、塗料・塗り方・下地処理などの種類について、詳しく知りたい方は『外壁塗装の種類を徹底比較!知っておきたい塗料・塗り方・下地処理を横浜市の塗装のプロが解説』をご覧ください。
目次
コーキング材とは?外壁塗装における役割と重要性
外壁塗装において、コーキング材(シーリング材)は非常に重要な存在です。外壁材同士のすき間や継ぎ目、さらにはサッシ周りなど、建物にはさまざまな「隙間」が存在しています。これらの隙間から雨水や湿気が侵入すると、内部構造の劣化やカビの発生、断熱性能の低下など、多くのトラブルを引き起こす原因になります。
そこで活躍するのがコーキング材です。目立たない存在ではありますが、建物の耐久性や快適性を守るうえで欠かせない要素のひとつです。この章では、コーキング材の基礎知識として、その定義や役割、そして劣化によるリスクについて解説していきます。
コーキング(シーリング)とは何か?
コーキング(シーリング)とは、建物の外壁や窓枠、浴室などのすき間や接合部を埋めるために使われる充填材のことです。一般的には「コーキング」という呼び方が定着していますが、正式には「シーリング材」と呼ばれることが多く、どちらも同じ意味で使われています。
その主な目的は、建物にできるわずかな隙間を密閉し、雨水や湿気、ホコリ、外気などの侵入を防ぐことです。特に外壁に使われるサイディングボードのつなぎ目などは、地震や温度変化による動きで割れやすくなるため、柔軟性と耐久性を兼ね備えたコーキング材でしっかりと保護する必要があります。
また、コーキング材は紫外線や経年劣化によって劣化していくため、定期的な点検と補修が欠かせません。放置すると小さな隙間が広がり、雨漏りなどの大きなトラブルを引き起こす原因になります。こうしたことからも、コーキングの理解は外壁塗装において非常に重要なポイントといえるのです。
外壁塗装におけるコーキングの役割
外壁塗装におけるコーキングの役割は、単なる「隙間を埋める作業」にとどまりません。建物を長持ちさせるために欠かせない、重要な機能をいくつも担っています。
まず一つ目は、防水性の確保です。外壁の目地やサッシ周辺などにコーキング材を充填することで、雨水の侵入を防ぎます。これにより、内部構造の腐食や雨漏りのリスクを大幅に減らすことができます。
二つ目は、建物の気密性・断熱性を高める効果です。目地から外気が入り込むことを防ぐことで、室内の温度を一定に保ち、冷暖房効率の向上にもつながります。これは、光熱費の節約にも直結する大きなメリットです。
三つ目は、外観の美しさを維持する点です。目地にひび割れがあると、どんなにきれいに塗装しても見た目が悪くなります。コーキングを丁寧に行うことで、塗装の仕上がりも美しくなり、全体の印象が向上します。
このように、コーキングは外壁塗装の下地処理として、非常に重要な役割を果たしています。施工時には必ず専門業者に依頼し、しっかりとした下地処理が行われているかを確認することが大切です。
コーキングが劣化した場合のリスク
コーキング材は時間の経過とともに、紫外線や雨風、温度変化の影響を受けて劣化します。劣化が進行すると、ひび割れ、剥がれ、硬化といった症状が現れ、外壁や建物全体に深刻なダメージを与える可能性があります。
まず、ひび割れや剥がれが生じると、そこから雨水や湿気が建物内部へ侵入するようになります。これにより、構造体の腐食やカビの発生、断熱材の劣化といったトラブルを引き起こしやすくなり、最悪の場合、雨漏りが発生します。
また、硬化してしまったコーキング材は、外壁の動きに追従できず、地震や風圧によってすぐに破断してしまう恐れがあります。そうなれば、わずかな外的要因で建物の保護機能が失われてしまい、劣化スピードが一気に加速してしまいます。
さらに、見た目の印象も大きく損なわれます。コーキングの隙間が黒ずんでいたり、汚れていたりすると、外壁全体の清潔感がなくなり、資産価値の低下にもつながりかねません。
こうしたリスクを未然に防ぐためにも、定期的な点検と適切なタイミングでの補修・打ち替えが欠かせません。特に、築10年以上経過している住宅では、一度専門業者に確認してもらうことをおすすめします。
外壁塗装で使われるコーキング材の主な種類と耐久性
外壁塗装に使用されるコーキング材には、いくつかの種類が存在し、それぞれに異なる特性と耐久性があります。素材や施工環境、さらには外壁の種類によって適したシーリング材を選ぶ必要があり、これを誤ると早期の劣化やトラブルの原因になることもあります。
多くの人が見落としがちですが、コーキング材は「どれも同じ」ではありません。用途や目的に応じて適切なものを選定することが、外壁の耐久性を高め、メンテナンス頻度を抑える鍵となります。
この章では、代表的な3種類のコーキング材について、それぞれの特徴や適した使用箇所、耐久年数などを詳しく解説していきます。施工前に知っておくことで、より納得のいく外壁塗装が実現できるでしょう。
変成シリコン系シーリング材
変成シリコン系シーリング材は、外壁塗装で最も多く使用されている種類のひとつです。大きな特徴は、柔軟性がありながらも塗装との相性が良く、上から塗料を塗ることができる点にあります。そのため、仕上がりの美しさを重視する外壁塗装には最適です。
また、密着性が高く、さまざまな外壁材に対応できる万能タイプでもあります。紫外線や雨風に対する耐候性にも優れており、一般的には10〜15年程度の耐久性が期待できます。ただし、実際の耐用年数は施工環境や外壁材との相性によって変わるため、業者の判断を仰ぐことが大切です。
一方で、価格は他の材質と比べてやや高めですが、塗装との相性や施工のしやすさ、耐久性を総合的に考えると、コストパフォーマンスの高い選択肢と言えるでしょう。
このように、変成シリコン系は「外壁塗装に適したバランス型のコーキング材」として非常に人気があります。とくに、仕上がりの美しさやメンテナンスのしやすさを重視する方におすすめです。
ポリウレタン系シーリング材
ポリウレタン系シーリング材は、非常に高い密着性と柔軟性を持ち、特に防水性に優れていることから、外壁の目地やサッシまわりなど水の侵入が懸念される箇所で多く使用されます。建物の動きにもよく追従するため、地震や強風などによる微細な揺れにもしっかり対応してくれます。
この材質の大きな特徴は、施工後の伸縮性と防水性が特に高い点です。耐久年数はおおよそ7〜10年とされており、使用状況によってはそれ以上も期待できます。ただし、紫外線に弱いという性質があり、屋外で使用する場合は上から塗装を施すことがほぼ必須となります。
一方で、施工時には下地との相性や乾燥時間に注意が必要であり、DIYでの施工にはあまり向いていません。また、塗装との密着性は変成シリコン系に比べるとやや劣るため、塗装の仕上がりにこだわる場合には注意が必要です。
ポリウレタン系は、「しっかり防水しながらコストも抑えたい」という方に適した選択肢です。とくに雨漏り対策を重視する場面では、その性能を発揮してくれるでしょう。
シリコン系シーリング材
シリコン系シーリング材は、非常に高い耐候性と耐久性を誇り、特に紫外線や雨風の影響を受けやすい箇所での使用に適しています。そのため、屋外のサッシまわりやバルコニー、浴室など水回りでの使用にも広く採用されています。
最大の特徴は、耐久年数が他の材質に比べて長い点です。条件が整えば15年以上持つ場合もあり、メンテナンスの手間を減らしたい方には非常に魅力的な選択肢となるでしょう。さらに、カビや汚れにも強いため、清潔さを保ちたい場所にも適しています。
しかし、シリコン系には大きなデメリットがあります。それは「塗装が密着しにくい」という性質です。シリコンの表面は非常に滑らかで、塗料をはじいてしまうため、塗装の仕上がりに影響を及ぼすことがあります。そのため、外壁塗装の下地として使用するには不向きであり、基本的には塗装を行わない部位に限定されます。
このように、シリコン系シーリング材は「高耐久・高防水」ではあるものの、「塗装仕上げには不向き」という明確な特徴を持つため、使用箇所をしっかり見極めることが重要です。
コーキング材の選び方と注意点
コーキング材には複数の種類があり、それぞれに異なる性能や特徴があります。外壁の素材や施工環境、さらには仕上げの方法によって、適したコーキング材は異なります。選定を誤ると、せっかくの外壁塗装が台無しになり、耐久性や防水性の面で不安が残ってしまうことも。
この章では、コーキング材を選ぶうえで知っておきたい基本的なポイントを、具体的な使用箇所や塗装の有無といった観点から解説します。また、施工業者に確認すべき重要なチェック項目についても触れていきますので、工事を依頼する前の判断材料としてぜひ参考にしてください。
使用箇所と素材に応じた選定
コーキング材を選ぶ際には、まず「どこに使用するか」という使用箇所と、外壁や構造部の「素材」に注目することが重要です。場所や素材に合っていないコーキング材を使用すると、密着不良や早期劣化の原因になります。
例えば、サイディングボードの目地には柔軟性と耐候性に優れた「変成シリコン系」や「ポリウレタン系」が適しています。これらの材料は、外壁の動きに追従しやすく、雨風からしっかり建物を守ってくれます。
一方、窓周りや金属製の部材との接合部では、密着性に優れた「シリコン系」や「専用の接着促進剤を使用する変成シリコン系」などが選ばれます。ここでは防水性と長期間の耐久性が重視されるため、より高性能な材質が求められます。
また、ALC外壁(軽量気泡コンクリート)には、収縮やひび割れの動きに対応できる柔軟性の高い材料が必要です。使用する場所ごとに、求められる性能が異なるため、材質の選定には専門的な知識が欠かせません。
施工業者に依頼する場合でも、「どの材料をどの場所に使うのか」をしっかり確認しておくことで、より信頼性の高い仕上がりにつながります。
塗装の有無と選ぶべきコーキング材
コーキング材を選ぶ際に、もう一つ重要なポイントが「その上に塗装を施すかどうか」です。というのも、コーキング材の中には塗装が密着しにくいタイプがあり、仕上がりや耐久性に大きく影響するからです。
たとえば、シリコン系シーリング材は耐久性や防水性に優れているものの、塗料との相性が悪く、表面を弾いてしまいます。そのため、塗装を施す外壁には基本的に不向きです。誤って使用すると、塗装がはがれたりムラが出たりして、美観を大きく損ねることになります。
一方、変成シリコン系やポリウレタン系は、塗料との相性が良いため、塗装を前提とした外壁施工には適しています。特に変成シリコン系は、多くの塗料と高い密着性を持ち、仕上がりの美しさも保ちやすい点が評価されています。
したがって、コーキング材を選定する際は、「施工後に塗装を行うかどうか」を明確にし、それに合った材質を選ぶことが不可欠です。施工業者が使用する材料に不安がある場合は、事前に「このコーキング材は塗装可能ですか?」と確認することで、後悔のない選択ができます。
施工業者への確認ポイント
外壁塗装を成功させるためには、どのようなコーキング材を使うかだけでなく、それを「誰が、どのように施工するか」も非常に重要です。優良な施工業者であれば、素材や施工箇所に応じて最適なコーキング材を選定し、確実な施工を行ってくれますが、業者によって品質には差があります。そのため、事前の確認が欠かせません。
まず確認すべきは、「使用するコーキング材の種類」です。具体的な材質名(例:変成シリコン系、ポリウレタン系など)を明示してもらい、塗装との相性や耐久性について説明を受けましょう。
次に、「施工方法」も確認が必要です。たとえば、古いコーキング材を完全に撤去してから新しいものを充填する「打ち替え」か、古い材の上から新しい材をかぶせる「増し打ち」かによって、仕上がりや耐久性は大きく変わります。特に、劣化が進んだ箇所には打ち替えが望ましいとされています。
また、「施工後の保証制度があるかどうか」も重要なチェックポイントです。万が一施工後に不具合があった場合に対応してくれるか、どの範囲まで保証があるかを事前に確認しておくと安心です。
さらに、過去の施工実績や口コミ評価も参考になります。業者のWebサイトや第三者の評価を確認し、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。
このように、適切な施工業者の選定と確認を怠らなければ、コーキング材の性能を最大限に活かした外壁塗装が実現できます。
まとめ~横浜市の外壁塗装・屋根塗装のことなら
本記事では、外壁塗装で使われるコーキング(シーリング)材の種類や耐久性、そして選び方のポイントについて詳しくお伝えしました。
コーキング材は建物の防水性・耐久性を左右する非常に重要な存在であり、適切な種類を選び、正しい施工を行うことが長く快適に暮らすための鍵となります。変成シリコン系、ポリウレタン系、シリコン系といった各素材には、それぞれ特徴や適性があり、目的や外壁の種類に応じた選定が不可欠です。
また、塗装との相性や施工方法にも注意が必要であり、信頼できる施工業者を選ぶことが仕上がりの満足度を左右します。事前にきちんと確認を行い、疑問点があれば遠慮なく質問することが後悔を防ぐ最善の方法です。
外壁塗装を検討している方は、今回の記事を参考に、ぜひコーキング材の選定にも目を向けてみてください。見えない部分にこそ、住まいの品質が現れます。長く安心して暮らせる家づくりのために、正しい選択を心がけましょう。
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この記事の著者について

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