外壁塗装を検討しているものの、「どの塗料を選べばよいのか分からない」「塗り方や下地の違いで何が変わるの?」とお悩みではありませんか?
外壁塗装は、ただ見た目を整えるだけでなく、住まいの寿命を延ばす大切な工事です。しかし、塗料や塗り方、下地の種類など、専門用語や選択肢が多くて迷ってしまう方も多いでしょう。
外壁塗装の成功には、正しい知識と判断が欠かせません。適切な塗料を選び、最適な工法で、下地処理を丁寧に行うことで、長期的に美観と性能を保つことができます。
本記事では、初心者の方でも安心して外壁塗装の判断ができるように、次の3つのポイントを中心に分かりやすく解説していきます。
外壁塗装に使用される塗料の種類と特徴
外壁塗装に使われる塗料は、建物の美観だけでなく、耐久性やメンテナンスの手間にも大きく関わります。選ぶ塗料によって施工後の仕上がりや持ちも異なるため、塗料の特徴をよく理解しておくことが重要です。
ここでは、現在住宅用外壁塗装で主に使用されている塗料の種類と、それぞれの特徴や耐用年数、メリット・デメリットについて解説します。
※外壁塗装で活用する塗料の種類について、価格・メリット・耐久性など詳しく知りたい方は『横浜市の外壁塗装を塗料の種類・価格・メリット・耐久性でわかる選び方について徹底解説します!』をご覧ください。
シリコン塗料
シリコン塗料は、外壁塗装において最も一般的に使用されている塗料の一つです。耐久性とコストのバランスに優れ、多くの住宅に採用されています。
この塗料は、主成分にシリコン系の合成樹脂を含み、紫外線や雨風による劣化に強い特性を持っています。そのため、塗膜が長持ちし、外壁の美観を長期間保つことができます。耐用年数は一般的に10〜15年とされており、定期的なメンテナンスサイクルの間隔を延ばすことが可能です。
また、汚れが付着しにくく、耐水性や防カビ性にも優れているため、湿気の多い地域や日当たりの悪い場所にも適しています。一方で、アクリルやウレタン塗料に比べると若干価格が高めになる傾向がありますが、長期的に見るとコストパフォーマンスは非常に高いといえます。
「初めての外壁塗装で、何を選んでよいか分からない」という方にも、まず選択肢に入れておくべき安定した性能を持つ塗料です。
※外壁塗装でおすすめの塗料の種類について詳しく知りたい方は『シリコン?フッ素?外壁塗装の種類とおすすめ塗料を横浜市の塗装のプロがわかりやすく解説』をご覧ください。
フッ素塗料
フッ素塗料は、非常に高い耐候性と耐久性を誇る高性能な塗料として知られています。高層ビルや公共施設など、長期間にわたって美観を保ちたい建築物にも多く採用されており、住宅でも「できるだけ長く塗り替えたくない」という方に選ばれています。
この塗料の大きな特徴は、フッ素樹脂の持つ優れた防汚性・耐紫外線性にあります。雨やホコリをはじく性質が強いため、外壁に汚れが付きにくく、色あせも起こりにくいのが特長です。耐用年数は15〜20年と長く、メンテナンスの手間や費用を抑えたいというニーズにも応えられます。
ただし、その高性能ゆえに価格は他の塗料と比べて高めです。初期費用がかかる分、長期的にはコストを回収できる可能性もありますが、「今の出費を抑えたい」と考える方にはややハードルが高く感じられるかもしれません。
総じて、長期的に住まいの美しさと耐久性を保ちたい方や、メンテナンス頻度を極力減らしたい方にとっては、フッ素塗料は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ラジカル制御型塗料
ラジカル制御型塗料は、比較的新しい技術を取り入れた塗料で、近年急速に人気を高めています。「ラジカル」とは、塗料の樹脂が紫外線を浴びることで発生する劣化因子のことで、これが塗膜を徐々に傷めてしまう原因の一つです。ラジカル制御型塗料は、このラジカルの発生や働きを抑制する成分を含んでおり、塗膜の劣化を大幅に軽減します。
この技術により、耐候性と耐久性に優れながらも、コストはシリコン塗料と大きく変わらない、もしくはやや高い程度に抑えられているのが特徴です。耐用年数は12〜15年程度とされており、「予算を抑えつつも、長持ちする塗料を使いたい」という方にとって非常にバランスの良い選択肢です。
また、汚れにも強く、色あせも起きにくいため、見た目の美しさを長期間維持できる点も魅力です。ただし、登場してからの年数が浅いため、フッ素塗料やシリコン塗料と比べると実績の蓄積がやや少なく、メーカーによって品質の差が出やすい点には注意が必要です。
価格・耐久性・機能性のバランスを重視する方にとって、ラジカル制御型塗料は非常に魅力的な新世代の塗料です。
無機塗料
無機塗料は、シリコンやフッ素よりもさらに耐久性が高く、「最高ランクの外壁塗料」とも称される高性能な塗料です。その名前の通り、無機物(ガラスや鉱石など)を主成分としており、有機物を多く含む一般的な塗料に比べて、紫外線や酸性雨などの外的要因に対して極めて強い耐性を持ちます。
耐用年数は20〜25年とされ、メンテナンスの手間と費用を最小限に抑えたい方には最適です。さらに、防汚性・防カビ性・不燃性といった性能も備えており、外壁の美観や安全性の面でも優れた選択肢と言えます。
ただし、その分、価格は非常に高く、一般住宅に導入するには予算に余裕が必要です。また、塗膜が硬く、柔軟性に欠けるため、下地に動きがある場合には割れが発生しやすくなるといった注意点もあります。
「塗り替えの回数をできるだけ減らしたい」「一度の投資で長くきれいな状態を保ちたい」といったニーズを持つ方には、無機塗料は非常に理にかなった選択です。
外壁塗装の主な工法とその特徴
外壁塗装では、どの塗料を選ぶかと同じくらい「どの工法で塗るか」も重要なポイントです。塗料の性能を最大限に発揮し、美しく仕上げるためには、外壁の状態や形状に合った塗り方を選ぶ必要があります。
ここでは、住宅の外壁塗装で主に使われる3つの工法について、その特徴やメリット・デメリットを解説します。
※外壁塗装の代表的な工法、5つの塗り方について詳しく知りたい方は『施工方法でここまで違う!外壁塗装の代表的な5つの塗り方について横浜市の塗装のプロが徹底解説』をご覧ください。
ローラー工法
ローラー工法は、最も一般的に採用されている外壁塗装の方法です。専用のローラーを使って塗料を外壁に塗り広げるシンプルな工法で、住宅の外壁のほとんどに対応可能です。
この工法の最大の特長は、塗料の飛散が少なく、近隣への影響が少ないこと。塗装中に塗料が風で飛ぶ心配がほとんどないため、住宅密集地や近隣との距離が近い住宅でも安心して施工できます。また、ローラーによる塗布は厚く塗れるため、塗膜に十分な厚みが出やすく、耐久性にも優れた仕上がりになります。
一方で、複雑な形状の外壁や細かい部分には不向きで、細部の塗装には刷毛を併用する必要があります。また、職人の技術によって仕上がりに差が出るため、信頼できる施工業者を選ぶことも重要です。
ローラー工法は、コスト・仕上がり・安全性のバランスに優れており、多くの住宅において第一候補となる塗装方法です。
吹き付け工法
吹き付け工法は、スプレーガンを使って塗料を霧状にして外壁に吹き付ける塗装方法です。細かい粒子状の塗料が均一に広がるため、独特の質感やデザイン性の高い仕上がりが得られるのが特徴です。
この工法の大きなメリットは、施工スピードの速さです。広い面積でも短時間で塗装が可能なため、工期をできるだけ短くしたい場合に適しています。また、凹凸のある外壁や複雑なデザインの外壁にも塗料が行き届きやすく、美しく仕上がる点も魅力です。
しかし、デメリットもあります。塗料が霧状になることで飛散しやすく、周囲への影響が出やすいため、しっかりとした養生(周囲の保護作業)が必要です。また、風の強い日には作業が難しく、天候に左右されやすいという制約もあります。
吹き付け工法は、スピーディかつ美観を重視したいケースに向いていますが、施工環境や条件によっては選択を慎重に考える必要があります。
刷毛塗り工法
刷毛塗り工法は、文字通り刷毛を使って塗料を塗布する、最も手作業感の強い塗装方法です。現在ではローラーや吹き付け工法が主流となっていますが、細かい部分や複雑な形状の箇所には今でも欠かせない手法です。
この工法の最大の特長は、細部まで丁寧に塗ることができる点です。窓枠の周囲や配管まわりなど、ローラーでは塗り残しが出やすい細かい箇所にも塗料を行き届かせることができます。また、塗料の飛散がまったくないため、極めて静かで周囲に迷惑をかけにくいのもメリットです。
一方で、作業に時間がかかるというデメリットがあります。広い面積を塗るのには非効率で、職人の手作業によるため、施工費用がやや割高になることもあります。また、作業者の技量に仕上がりが左右されやすく、ムラが出ないよう丁寧な作業が求められます。
刷毛塗り工法は、仕上がりの細やかさを重視したい場合や、他の工法では対応しにくい場所に対して、今もなお重要な役割を果たしています。
下地材と下塗り材の種類と特徴
外壁塗装において、仕上げ塗料の性能を最大限に引き出すためには、「どのような下地に」「どんな下塗り材を使うか」が非常に重要です。塗料の密着性や持ちを左右する要素であり、手を抜けば数年で塗膜が剥がれるといったトラブルにもつながります。
ここでは、住宅によく使われる外壁の下地材の種類と、それぞれに適した下塗り材について詳しく解説します。
下地材の種類
外壁の素材、つまり「下地材」は塗料選びや下塗りの方法に大きな影響を与える重要な要素です。適切な塗装を行うためには、下地の種類ごとの性質と注意点を理解しておく必要があります。
サイディング
現在の住宅で最も一般的な外壁材が「窯業系サイディング」です。セメントと繊維を原料とし、耐火性や施工性に優れています。表面が加工されているため、塗料の密着性を高めるためにシーラーを使用して下地を整えることが重要です。劣化が進んだサイディングは反りやひび割れが起きるため、補修も必要になります。
モルタル
セメントと砂、水を混ぜた素材で、左官仕上げの風合いが特徴です。外壁の一体感を出しやすく、自由なデザインが可能ですが、経年劣化によってクラック(ひび割れ)が発生しやすい点がデメリットです。塗装前にはクラック補修と、凹凸を整えるためのフィラーを使った下地処理が欠かせません。
コンクリート
コンクリート壁は非常に硬く頑丈ですが、表面が平滑なため塗料が密着しにくく、適切な下塗りが求められます。また、雨水を吸いやすい性質があるため、吸水を防ぐためにシーラーやフィラーを使った下地処理が重要です。ひび割れ補修やエフロ(白華現象)対策も必要になります。
金属(トタン・ガルバリウム)
金属系の外壁材は、軽量かつ高耐久で、最近ではガルバリウム鋼板がよく使われています。ただし、金属は錆が発生しやすいため、塗装前にはしっかりとした防錆処理が必要です。下塗りには金属専用のプライマーを使用することで、塗膜の剥がれを防ぎます。
木材
木製の外壁は自然な風合いと温もりが魅力ですが、湿気に弱く、経年による反りや腐食が発生しやすい素材です。塗装には通気性のある塗料が求められ、下塗りには木部専用のプライマーが必要です。防腐・防虫処理も欠かせません。
それぞれの下地材には特有の性質があるため、正しい判断と下地処理によって、仕上がりと耐久性に大きな差が出ることを覚えておきましょう。
下塗り材の種類
下塗り材は、仕上げ塗料の密着性を高め、外壁全体の耐久性を向上させる重要な役割を果たします。外壁の素材や劣化状況に応じて、適切な下塗り材を選ぶことが、塗装後の美しさと長持ちの鍵になります。ここでは、代表的な3種類の下塗り材について解説します。
プライマー
プライマーは、金属や木材、コンクリートなどの密着性が低い下地に使われる下塗り材です。主に塗料と下地の“接着剤”のような役割を果たし、塗膜の剥がれを防ぎます。特に金属下地では、サビ止め効果のある防錆プライマーが使用されることが多く、防食性の向上にもつながります。
シーラー
シーラーは、吸水性の高いサイディングやコンクリート、モルタルなどの下地に適した下塗り材です。下地が塗料を吸い込んでしまうのを防ぎ、仕上げ塗料の色ムラや塗料の無駄使いを防止します。また、下地の状態が比較的良好な場合には、これだけでも十分な下塗り効果を発揮します。
フィラー
フィラーは、モルタルやコンクリートなど、表面に凹凸やクラックがある下地に使用される下塗り材です。弾力性を持ち、微細なひび割れを埋めたり、表面を平滑に整えたりすることができます。中でも「微弾性フィラー」は、建物の動きに追従してクラックを抑える効果があり、住宅塗装では非常に重宝されています。
コーキング(シーリング)の種類
コーキング(シーリング)は、外壁材の継ぎ目やサッシ周りなどの隙間を埋め、防水性や気密性を高めるための重要な材料です。経年劣化により硬化・ひび割れを起こすため、外壁塗装の際には打ち替えや増し打ちが必要になります。ここでは代表的な4種類のコーキング材について解説します。
アクリルコーキング
アクリルコーキングは、水性で扱いやすく、乾燥も早いため、内装工事などでよく使用されます。ただし、耐久性や耐水性に劣るため、外壁のシーリング材としては不向きです。価格が安いため、外構や室内の目地補修などに限定されます。
ウレタンコーキング
ウレタン系は弾力性が高く、密着性にも優れており、外壁の目地にも使用可能です。ただし、紫外線に弱いため、上から塗装を施して保護することが前提となります。硬化後は硬くなる傾向があり、動きの大きい箇所には不向きです。
シリコンコーキング
シリコンコーキングは、耐水性・耐熱性・耐候性に優れており、浴室やキッチンなどの水回りで多く使われています。しかし、塗料が密着しにくいため、外壁塗装と併用するには不適切です。外壁塗装時に使うと、塗膜のはがれやムラの原因になることがあります。
変成シリコンコーキング
変成シリコンは、シリコン系の高い耐候性を持ちながら、塗装にも対応している万能型のコーキング材です。現在の外壁塗装において主流となっており、打ち替え・増し打ちともに高い信頼性があります。柔軟性があり、動きのある目地にも対応できるため、戸建て住宅で最も多く使用されています。
まとめ~横浜市の外壁塗装・屋根塗装のことなら
本記事では、外壁塗装の種類について、塗料・塗り方・下地処理の観点から詳しくお伝えしました。
外壁塗装は、見た目を美しく保つだけでなく、建物そのものを風雨や紫外線から守るために欠かせない工事です。選ぶ塗料によって耐用年数やコストが大きく変わるほか、塗装工法や下地処理、さらにはコーキング材まで、さまざまな要素が仕上がりと耐久性に影響を与えます。
シリコン・フッ素・無機塗料などの塗料の特徴を知り、ローラー・吹き付けといった工法の違いを理解し、下地材や下塗り材の適切な使い分けを知ること。そして、見落とされがちなコーキング材の選定にも注意を払うことで、失敗のない外壁塗装が実現します。
これから外壁塗装を検討される方は、ぜひ本記事を参考にして、建物に合った最適な選択をしてください。大切な住まいを長持ちさせ、美しさを保つための第一歩となるはずです。
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この記事の著者について

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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)