外壁の汚れ、塗装の剥がれが目立つようになってきたときは、外壁塗装をすべきタイミングです。
汚れや剥がれをそのままにしておくと、その部分が雨風にさらされて外壁の劣化が進んでしまうことになるため、塗装によって補修する必要があるのです。
しかし、外壁塗装に使われる塗料は種類が多すぎて、困った経験があるという人も多いはずです。
知識がない状態で、「あれが良い」「これも良い」と言われても、よく分からないですよね。
この記事では、外壁塗装をお考えの方に、外壁塗装に用いられる塗料の種類とその特徴について解説します。
塗料を選ぶ際の参考にしてください。
□外壁塗装を失敗しないためには?
外壁に塗る塗料にはさまざまな種類があります。
「なぜこんなに種類があるのか」と疑問に思った方も少なくないでしょう。
塗料は種類に応じて、耐久性や防水性、そして価格が異なります。
どれだけ優れた塗料でも、価格が高すぎると誰も使えませんし、逆にどれだけ安くても数ヶ月で剥がれてしまうような塗料は使いものになりません。
「長く持つ物がいい」「コスパが良いものにしたい」「防水性が高いものを選びたい」といったお客様一人ひとりのニーズに応えるため、塗料はさまざまな種類のものが開発され、一般に使用されているのです。
塗料は、主に「顔料」「樹脂」「添加剤」「溶剤」の4つの材料によってできています。
顔料は水や油、溶剤などに溶けない着色または無色の粉末をいいます。
塗料の色彩を形成するのが着色顔料で、例えば外壁を赤色にしたいときはこの着色顔料が赤色になります。
また、無色の着色顔料の場合、顔料が塗膜をコーティングしてくれるため、外壁の耐候性が上がります。
その他にも、厚みをつけ、塗膜の増強や光沢の調整を行う体質顔料や、防サビ・防カビの機能に優れている機能性顔料というものがあります。
つまり、外壁塗装の外側をコーティングしてくれるのが、顔料というわけです。
樹脂は、硬くなって塗膜の主成分となるものです。
塗料のグレードは、この樹脂によって変わります。
樹脂の種類によって、柔軟性に優れた塗料や耐候性に優れた塗料といったような特徴が現れてきます。
添加剤は、カビやサビの発生、腐食や凍結を防止するために塗料に混ぜられる副次的な材料です。
市販の麦茶に防腐剤としてビタミンCが入っているのと同じなので、塗料の特徴に大きな影響を与えるものではありません。
溶剤は、塗料を延ばす(希釈する)ための液体です。
塗料を溶剤なしで塗ろうとすると、ドロドロで塗りムラができやすくなってしまうため、それを防ぐために混ぜられます。
もっとも、揮発性があり、しばらくすると蒸発してしまうので、塗料の機能性を害するものではありません。
□塗料の種類について
一般的に使われる塗料で最も安いのが、アクリル塗料です。
施工価格は1平方メートルあたり1000円台とかなり破格で、とにかく施工費を安く抑えたいという方にはとてもおすすめです。
ただし、耐用年数はあまり長くないため、何度も塗装工事をしたくないという方には不向きです。
アクリルの次に安く、機能性に優れているのがウレタン塗料です。
できるだけ施工費を安く済ませたいけれど、すぐ剥がれて駄目になってしまう塗料は嫌だという方におすすめです。
「長持ちする」塗料のうち、値段があまり高くない物がシリコン塗料とラジカル塗料です。
どちらも10年以上持つ塗料で、値段も2000円〜3000円台なので、コスパが良い塗料だと言えます。
また、シリコン塗料は撥水性に優れていて結露ができにくく、ラジカル塗料はチョーキング現象を防いでくれるなど、それぞれにも特長があります。
「高級な塗料」で最も使われているのはフッ素です。
シリコンやラジカルよりも持ちがよく、塗装の頻度を減らすことができます。
塗装の頻度が減れば、その都度お金を支払わずに済むため、その家に長く住むのであればかなりおすすめの塗料です。
断熱機能・遮熱機能のある塗料がセラミック塗料です。
断熱・遮熱のメリットは、なんといっても光熱費が下がることです。
夏の暑い日にも部屋が蒸し暑くならず、エアコンの設定温度を下げる必要がありません。
また、意匠性も高くなるため、外見にこだわりたい人にも良いでしょう。
光触媒塗料というものもあります。
太陽光によって汚れを分解し、その分解した汚れは雨が洗い流すため、手入れの頻度を減らすことができます。
日当たりが良い家にはとてもおすすめの塗料です。
南側の外壁に塗ると良いでしょう。
耐久性が高く、防火性に最も優れているのが無機塗料です。
値段は安くありませんが、衝撃に強く、地震や火災などがあっても安心できる塗料です。
お金が掛かってもいいから長持ちさせたいという方にはおすすめの塗料です。
そして、ナノテクノロジー塗料というものもあります。
合成樹脂の含有量を最小限に抑えた塗料で、地球温暖化の抑制の他にも、シックハウス対策にも有効です。
防カビ性もあるため、外壁を長持ちさせることが可能です。
□塗料の分類や性能の違いについて
塗料には顔料を含むものと含まないものがあり、それぞれ「エナメル塗料」「クリア塗料」といいます。
基本的な外壁塗装にはエナメル塗料が使用されていることが多いです。
クリア塗料は無色透明であり、今の外壁のデザインを残して塗装したいという場合に使用されます。
外壁塗装では塗料の色の他に、ツヤについても選ぶことができます。
塗料のツヤには「艶消し」「3分艶」「5分艶」「7分艶」「艶あり」の5段階があります。
一般的には光沢度の高いものの方が、耐候性が高いと言われるため、特にこだわりのない人は「艶あり」を選ぶのが良いでしょう。
逆に、「いかにも塗装しましたという感じが嫌だ」という方は、艶消しや3分艶を選ぶのがおすすめです。
塗料の希釈の際に水を使用するのが水系塗料、シンナーのような有機溶剤で希釈するものを溶剤系塗料といいます。
溶剤系塗料の方が塗装可能な素材が多く、耐久性にも秀でているのですが、「シンナーの匂いが嫌い」という方が多いように、かなりの刺激臭を伴います。
匂いが嫌だという方は、ほとんど刺激臭のしない水系塗料を選ぶと良いでしょう。
塗料の固まり方にも違いがあります。
屋外に置いておけば自然に固まるのが「1液型塗料」、硬化剤を混ぜるのが「2液型塗料」です。
一般に1液型の方が2液型よりも若干安く、扱いやすいと言えます。
逆に、2液型の方が耐久性には優れています。
ただし、樹脂の違いに比べれば、耐久性や価格の差はかなり小さいものです。
□塗料選びのポイントについて
まず、目的や予算、そして好みなどを教えてください。
そのためにも、お客様自身がどれだけの予算を考えているのか、どれくらいご用意できるのか把握されてからご相談していただくのがベストです。
次に、色・艶の好みについてです。
まず何色の外壁が良いのか、光沢があった方が良いのかない方が良いのかなど、外壁塗装にとってとても重大な要素です。
機能性についても一考してください。
「自分は暑がりだから、遮熱性は外せない」「子供のためにも、汚染性が低いものが良い」など、さまざまなご要望があるでしょう。
そして、メンテナンスのスパンについてです。
「できるだけ長く持つものが良い」という方もいれば、「どうせすぐ飽きるから数年持てば良い」という方もいるでしょう。
長いものが良いか、それとも短いものでも構わないか、お伝えください。
高価な塗料は確かに性能が高いですが、必ずしも高価な塗料がお客様の住まいの外壁にとって一番であるとは限りません。
現在のお住まいやご家族の将来のことなども併せて、不安や疑問がある方は当社に是非ご相談ください。
□塗料に付加できる機能とは
遮熱機能はその名の通り、太陽の熱による建物の表面の温度上昇を抑え、夏場の室内を快適にするというものです。
断熱機能は遮熱機能の進化系のようなもので、外と中の熱移動を抑えることで、夏も冬も快適にしてくれます。
このような機能があることでエアコンの設定温度を必要以上に上げたり下げたりする必要がなくなるため、エコな塗料として、外壁塗装の際に自治体から補助金が出ることもあります。
また、塗料の伸縮性を担保する弾性機能を持たせることもできます。
これによって、地震や車の発進などの衝撃でも外壁にヒビが入りにくくなります。
日本、特に関東地方は地震が多いため、この機能はとても重要です。
ただし、湿気を溜め込みやすいため、他の塗料に比べて塗膜が膨張しやすいです。
そのデメリットも把握した上で購入を検討してください。
親水性機能を持たせることによって、文字通り塗膜に親水性を持たせることができます。
親水性を持たせると、外壁についてしまった汚れも、雨水が浮かして洗い流してくれます。
外壁の細かい手入れが必要ないため、忙しい方にとてもおすすめです。
光触媒機能のある外壁は、太陽光で表面の汚れを分解し、セルフクリーニングするため、こちらも細かい手入れが必要ありません。
そして、コロナウイルスへの抗菌効果があることも分かってきたため、ウイルスに敏感な方にはこれ以上ない機能であると言えるでしょう。
さらに、ナノコンポジットという機能もあります。
ナノテクノロジーによって塗料内の樹脂の配合量を減らし、塗膜内の「微粒子シリカ」という成分がナノレベルで均一に分散し、表面に汚れがつきにくくなります。
こちらも細かい手入れが必要ないという点で魅力的な機能と言えるでしょう。
□まとめ
これまで、外壁塗装の塗料の種類やその特徴、選び方について解説してきました。
外壁塗装についてお客様自身だけで考えるというのは非常に難しいことですが、普段の買い物と比べて格段に高価である塗料を用いる外壁塗装は、塗装会社だけで考えるというわけにはいきません。
外壁塗装について分からないこと・聞きたいことがあれば、すぐにプロに聞くのがベストです。
横浜市・川崎市周辺で外壁塗装をお考えの方は、当社にご相談ください。
この記事の著者について
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2021年3月31日、はじめて執筆の書籍「リフォームで一番大切な外壁塗装で失敗しない方法」をクロスメディア・パブリッシングより出版。(各図書館に置かれています)
「初心忘るべからず」という言葉を胸に、毎日お客さまの信頼を得られるよう頑張っています。 世の中には不誠実な業者も多く、リフォームで後悔する人が後を絶ちません。
一人でもそういう方がいなくなり、私たちが地元の皆さまに貢献できればと思っています。川崎市・横浜市にお住まいで、外壁塗装についてお悩みの方はお気軽にご相談下さい。(会社概要・本店について|青葉店はこちら)